愛着障害と世代間連鎖トラウマの関係

ある研究では、生後2週間にわたって、日に三時間、母親と子マウスを分離した。すると子マウスは、その後の生活で、人間の鬱に相当する行動を示すようになった。

その症状は、加齢とともに悪化するように見えた。

驚かされたのは、オスの子マウスの中には行動の変化を示さないものもいたが、それらの子供には、行動の変化が見られた事だ。

Nature Neuroscience(2004年7月)

こうした反応は、いわゆる愛着障害と呼ばれる症状ですね。そして、特筆すべきは次です。

オスの子マウスの中には行動の変化を示さないものもいたが、それらの子供には、行動の変化が見られた事だ。

これは、とある世代で起きた愛着障害が遺伝子に刻まれ、自分の遺伝子を受け継ぐ個体にも現れるという事。(愛着障害が、その個体の対人関係のシステムであり、そのシステムのパターンが複数世代に渡って観察された訳です)

これは何を意味するのかと言うと、今、苦しんでいるあなたは、生まれた段階で既に愛着障害を抱えていたか、または、他の人に比べて格段に愛着障害になりやすいという事なんです。

あなたに原因があった訳でも、弱かった訳でもないんです。

心理学の世界では経験則的に分かっていた事ですが、そうした悩みの原因が「遺伝子の働き=発現パターン」によるものであり、更にこうした複数世代にまたがって遺伝する「遺伝子の発現パターン」の変化が近年になって科学的に証明されるようになりました。(それをエピジェネティック遺伝と呼びます)

遺伝する愛着障害についての本当の問題

あなたの責任であろうがなかろうが、苦しみがあるのは事実でありますが、この問題の本当のポイントは2つあります。

「その苦しみをどうすれば良いのか?」という事と、「それは後天的に変えられる」という事。

遺伝子そのものは変えられません。しかし、遺伝子の発現を変えられるのであれば、遺伝子を変えるのと同じ事です。

つまり、遺伝子の発現が変わって苦しみが生まれるなら、更に発現を変える事で苦しみが改善⇒解消できるんですよ。

「どうしようもない」と諦める必要はありません。

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